レピュテーションリスクの主な種類と影響

近年、企業経営においてインターネットやSNSの普及に伴って増加しつつある、レピュテーションリスクが注目されるようになっています。

レピュテーションリスクには、いくつかの種類があります。

また、周囲に与える影響も、異なるのです。

レピュテーションリスクの種類と与える影響について、解説します。

目次

レピュテーションリスクの種類

レピュテーションリスクというのは、1つのリスクによって起こるものを指したものではありません。

大きく分けて、4つの種類があるリスクを解説します。

レピュテーションリスクには、大きく分けて4つの種類があります。

まず、自社が直接行った行動や、会社の履行がレピュテーションリスクになる可能性があります。

行動によって起こりうるレピュテーションリスクのシナリオは、どのようなものでしょうか?

法律や業界規制、コンプライアンスなどを遵守していないことで起こるケースがあります。

また、従業員や顧客の個人情報が流出したり、安全を脅かすような安全性の低い方法でのデータ流出も考えられます。

顧客のニーズに応えることができなかったり、顧客の期待を裏切ってしまったりする行為を繰り返している場合も、レピュテーションリスクが引き起こされてしまいます。

自社が法的措置を受けて公になった場合も、考えられます。

公になってレピュテーションリスクの原因となるのは、社内の不祥事やレイオフなども考えられます。

従業員の労働条件が悪かったり、搾取するような条件で労働させていた場合も、問題となるでしょう。

販売している製品や提供するサービスの品質が悪い、という可能性もあります。

自社のビジネス代表や従業員、リーダー、関係者の行動が、レピュテーションリスクを引き起こすこともあります。

自社とビジネス上の関係がある人物の行動は、企業の評価にも関わってくるのです。

特に注意が必要なのは、社内で役職に就いている従業員が非倫理的行為に関与したケースです。

また、ビジネスリーダーの評判が悪い、もしくは特定の行動で評判が悪化したケースもリスクが高まります。

不祥事が公になった時、関与していた従業員も悪影響となるでしょう。

自社のブランドに対して悪い表現をする従業員がいる場合も、リスクが高まります。

近年では、ソーシャルメディアで関係者がネガティブな投稿をしたという例も増えています。

企業と関係するパートナー、並びにサプライヤーの直接的な行動が、自社のレピュテーションリスクを引き起こす原因となることもあります。

ビジネスの運営に重要なサポートをしている以上、深い関係があるのです。

パートナーが、ソフトウェアの不具合などのビジネスに大きく影響するサービスが中断するという経験をしたという場合でも、リスクが高まります。

また、自社ではなくパートナーやサプライヤーが不祥事を起こしたことが公になるケースもあるでしょう。

自社のビジネスについて、パートナーやサプライヤーがソーシャルメディアなどで否定的な発言をした場合も、自社の評判を下げることになるため、レピュテーションリスクを引き起こす原因となります。

顧客など、外部要因によって自社の評価を下げられてしまうというケースもあります。

顧客が特に悪い経験をしたことが多いのですが、例としてはまず消費者がソーシャルメディア上で自社の悪い評価を投稿するケースがあります。

また、一般のレビューサイトで顧客が体験に基づいて否定的なレビューを残していた場合は、全体のごく一部だけでも印象に残りやすいでしょう。

記事や報道で、自社に対して否定的な意見が掲載されているケースもあり得ます。

レピュテーションリスクによる影響

レピュテーションリスクは、ネガティブな影響を与えてしまうものです。

しかし、具体的にはどのような影響が起こると考えられるのでしょうか?

一般的に考えられている影響は、主に3つあります。

1つ目は、企業の価値が下がり収益が失われるというものです。

企業のブランド力は、消費者の購買意欲を高めるのに役立ちます。

しかし、企業の価値が落ちてしまうとブランド力も低下し、誰も買わなくなってしまうこともあるのです。

また、同等のブランド力を持つ他社の商品と比べた時、ネット上などで悪い評判を聞いたことがある企業と、特に印象がない企業であれば、問題が起こっていない企業の方を選ぶ人がほとんどでしょう。

また、レピュテーションリスクが起こってしまうと、社会的な信頼は低下し、信用も失われてしまうでしょう。

信頼や信用を回復するには、多大な労力と時間がかかります。

A社が不祥事を起こしたという情報は、何年もイメージとして残り続ける可能性があります。

徐々に忘れていても、ふとした拍子で誰かが話題に出すことで思い出すケースもあるでしょう。

信頼できない企業には、自分の個人情報を登録するのも嫌に思うかもしれません。

ネットショップの場合はもちろん、現実の店舗でも会員証などを利用した顧客データベースを作っていても、登録者が減ってデータベースも不十分になるでしょう。

レピュテーションリスクが引き起こされた企業は、人材リソースも集まりにくくなってしまいます。

誰もが、評判のいい会社に就職したいと考えるのです。

自社の社内の人材だけではなく、外部の人材も確保するのが難しくなります。

パートナーや取引先も、経営状況に悪影響があると思われてしまえば、確保しづらくなるでしょう。

レピュテーションリスクは、一度でも表に出てしまえば多くの悪影響が生じてしまうのです。

特に、企業の社会的信用が低下してしまえば、簡単には回復することができません。

社会的信用を回復するには何年もかかるケースがあり、回復を図る期間には事態を収拾するためのコストもかかります。

費用面でも、大きな負担となるのです。

また、評価が下がった企業には優秀な人材も集まりにくくなってしまうでしょう。

人材リソースが確保できないせいで、信用を回復するのにも時間がかかるという悪循環に陥ってしまうこともあります。

レピュテーションリスクは、近年特に深刻な影響をもたらすようになっています。

経営者をはじめ、企業で働く人はレピュテーションリスクについて把握し、しっかりと管理する必要があるのです。

まとめ

レピュテーションリスクは、自社の行動や従業員などビジネスに関わる人の行動、パートナーやサプライヤーによる行動、顧客などの外部要因の4つによって引き起こされることがあります。

一度レピュテーションリスクが引き起こされてしまえば、企業の信用は低下してしまい、人材リソースも集まりにくくなるなどの悪影響があります。

回復するにはかなりの時間がかかり、コストも必要となるため、日ごろから気を付けておきましょう。

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